2000年頃から、破潰しても内容物が流動して移動したり、他部位へ転位しないシリコンバッグが開発された。そして折しも盛んになりつつあった乳癌患者の乳房再建にも利用されつつあった。確かに、嘗てのシリコンバッグに比べて格段の進歩であり安全性は増したと思われ世界中で使用されている。
しかし、好事魔多しとは良く言ったもので、2010年ころに、悪性リンパ腫発生との関連性が指摘された。十分な調査の結果で表面がザラザラした(Texture typeと呼ばれる)に問題があるということになり、このタイプは回収された。また、私の意見では、ヒト・アジュバント病の惹起については固形状の異物でもあり得るとの文献もあり、完全に解決されたとは言えない。
以下には、参考までに私の乳房再建症例をお見せするが、これはバッグプロテーゼは使用していない。
また、次回には、豊胸術の現状についての結論を述べることにする。
種々のシリコンバッグプロステーシス
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