• 百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その13 熱傷による頸部顔面の瘢痕拘縮治療には超薄皮弁―エクスパンダの応用

最終更新: 9月8日

超薄皮弁を拡大するには、末梢部に穿通枝などの微小血管付加が必要である。しかし、これにはマイクロサージャリーが必要であり、特殊な技術が必要であり手術時間もかかる。それを複数回の手術を要するという犠牲を厭わなければ、エクスパンダーを皮弁を予定する皮下に予め挿入して、安全確実に超薄皮弁を作成できるという方法論が考案された。

皮弁を安全確実に生存させる従来からある方法に「Delay法」というのがある。これは予め皮弁として作成するデザインの遠位部半分で、予めわざと切り込みをいれたり少し剥離しておく方法である。こうすることで皮弁遠位部の血管を太くさせ血流を増強させる。

一方、エクスパンダを予め挿入しふくらませるという方法は、こうした「Delay」効果と、皮弁を薄く大きくする効果がある。

この方法で超薄皮弁を作成したのは、私の留学生であった、中国広州の高建華先生と東莞の王春梅先生である。帰国してからこうした工夫をして英文論文にして投稿した。以下にそれらの症例を拝借して掲載する。

以下は、高建華教授のexpanded staged superthin flap.


頬部の熱傷後瘢痕の治療。

胸にexpanderを挿入してふくらませる。


超薄皮弁として遠隔移植。


2週間後切り離す。



出来上がり。





王春梅教授によるexpanded superthin flapsによる顔面の熱傷後瘢痕の治療。



顔面の手術前の熱傷後瘢痕とexpander 複数個の挿入。



expander を抜いて超薄皮弁として顔面に移植。



出来上がり。



同じく王春梅教授の症例。



手術前の状態。



背中の皮下に複数個のexpanderを挿入。



expanded OCD superthin flap sitamigi による頸部の再建。



出来上がり。



なお、次回では超薄皮弁のさらなる展開として種々の穿通枝の付加とその可能性について述べる。

© 2020 Hiko Hyakusoku

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