• 百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その4 わが国の豊胸術の歴史について。

以下の歴史順の項目について詳述する。

今回その4では①について、今後その5以降②からも順次述べる予定である。

① それは異物注入に始まった。

② むき出しの物質の注射はまずいーシリコンバッグの登場

③ 欧米で日本発のヒト・アジュバント病が問題とされ生理食塩水バッグが登場。

④ 乳癌が見つけやすいという名目でハイドロジェルバッグの登場。

⑤ 中国発のハイドロジェル注入への回帰

⑥ 破れても流動しないコヒーシブ・シリコンバッグの登場

⑦ 自家脂肪注入法の焼き直し。

⑧ 自家脂肪注入も異物による豊胸術にも反対している孤独な私。

それは異物注入に始まった

終戦後の昭和20年台から30年台にかけての、闇の美容医療の代表的所作が、異物の注入による豊胸術であった。用いられた異物は炭化水素系物質である、パラフィン、ワセリン、そしてそれらを混合して商品化した「オルガノーゲンTM」更にシリコン液やシリコンジェルが裸で注入された。これらは、注入後しばらくして岩のようなしこりを形成し、外見上は豊胸の目的を達しても触知するしこりや異物の染み出しによる変形、発赤更に潰瘍形成などの重篤な後遺症を遺した。

内外で発がん性の報告こそなかったものの、しこりによる乳癌発見の遅れから命を落とす女性が何人もいたようである。

そもそも、医学的に見て生体内に異物を裸のまま注入するというのは異物肉芽腫の形成によって重大なしこりを遺したり、筋肉に沿って移動したり、貪食細胞によって他部位に転位する可能性があるので、施行してはいけない方法である。

さらに、1964年に徳島大学の三好教授によって、注入異物による自己免疫疾患「ヒト・アジュバント病」罹患の危険性まで指摘され、社会問題にまでなった。

次回は②について述べる。


注入異物のしこりが阻害して発見が遅れた乳癌。

(左:右乳房のがん。右:そのCT画像。注入異物にがんの合併を示す。

© 2020 Hiko Hyakusoku

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