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  • 執筆者の写真百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その11 熱傷による頸部顔面の瘢痕拘縮治療には超薄皮弁―完全二重血管付加超薄皮弁への発展

それまでの超薄皮弁は血管付加の有茎皮弁であったので、茎基部を軸にして移植に供するため、移動に制限があったのが、唯一の欠点であった。そこで、超薄皮弁の両側に血管付加を行って、云わば二重血管付加で遠隔移植できれば、この欠点を補えると考えた。


以下に私の考案した超薄皮弁の茎による分類を示す。

上図の5番目が両側血管付加超薄皮弁である。要するに超薄皮弁の両側に血管束を付加して遠隔部にマイクロサージャリーを用いて微小血管吻合にて移植するのである。このタイプの皮弁を以て超薄皮弁は完成したといえる。

以下の論文は私の執刀した両側微小血管付加超薄皮弁の貴重な症例を現日本医大形成外科小川教授に執筆してもらった論文である。

Ogawa R, Hyakusoku H :Bipedicled free Super-thin flap harvesting from the anterior chest. Plast Reconstr Surg.;113(4):1299-1300、2004


また、以下に症例を示す。

手術前のアゴの瘢痕拘縮。


背中に血管(肩甲回旋血管と対側第6肋間穿通枝)付加の超薄皮弁をデザインした。



皮弁移植手術後半年の状態。



次回ではギネスブックものの大きく薄い超薄皮弁の成功例を示しつつ、さらなる超薄皮弁の可能性についても言及する。


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