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  • 執筆者の写真百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その16 手熱傷の形成外科的治療について

手の熱傷は注意が必要である。特に手指も含む手背のDDB(2度深達性真皮熱傷)では、植皮の遅れが将来不可逆的な手指の関節可動障害と変形を来すからである。要するに熱傷深度の評価を迅速に行い、受傷2,3日以内に植皮をする必要がある。

手掌側の熱傷は手背側ほど超早期の植皮はいらない。しかし、小児によく見られる炊飯器熱傷などで、明らかに将来屈曲拘縮が起こると思われるような熱傷では、上皮化を待たずに植皮を行うことも考えるべきである。以下に代表的は手術例を示す。

手熱傷の早期植皮の実際。


手背のDDB(深達性2度熱傷)。


遊離分層植皮。


植皮後1ヶ月。


屈曲。



小児期の手の熱傷再建。

左:熱傷受傷後早期(2週間以内)の植皮。中:15年後の状態。伸展。右:屈曲。とにかく早期の植皮が異能障害を最小限にする。



手背の熱傷後瘢痕拘縮の治療。この症例は早期の植皮をしなかったため、薄い皮弁による被覆を要した。



左:手術前。中:瘢痕の除去。右:腹壁にエクスパンダーを挿入し膨らませた。



手を伸展した腹部皮下に挿入。


2週間後に切り離す。2か月後の状態。


次回は小児熱傷の問題点について述べる。

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