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  • 執筆者の写真百束 比古(HYAKUSOKU HIKO)

その6 プロペラ皮弁法―世界的ヒットに驚嘆

1991年、英文誌に投稿した「Propeller Flap Method」

Hyakusoku,H.,Yamamoto,T.and Fumiiri,M.:The propeller flap method. Br.J.Plast.Surg.,44:53-54,1991.は、そのネーミングのわかりやすさもあって、2006年にHallockが応用の広さを謳ってくれてから、世界中に普及し現在では250以上の論文を生んだ。その総集編とも言うべき英文の著書が現在イタリアのPignattiによって編集されている。


私の最初のプロペラ皮弁の発想は、皮弁の中心部の穿通枝を軸とし、あたかもプロペラのように90度回転し瘢痕拘縮を解除することであった。Hallockはこの軸を中心からずらし、180度回転させて皮膚欠損を修復するというものであった。いずれにせよ、皮弁を穿通枝を軸としてプロペラ回転させるという発想は多くの再建外科に応用できる極めて形成外科的な手法であった。現在も諸外国で多くの論文が発表されており、2020年現在250以上の論文に私の最初の文献が引用されている。


次回は、再生医療の走りであった血管束移植二次皮弁について述べる。

最初に発表したプロペラ皮弁法による肘の瘢痕拘縮治療。


上左:手術前の状態。上右:健常皮膚を90度回転して瘢痕拘縮を解除した。

下左:中央の健常皮膚を中心部の穿通枝を軸として挙上。下右:皮弁を90度回転して逢着。

この皮弁の移動法がプロペラのようなので、プロペラ皮弁法と命名した。




腋窩瘢痕拘縮のプロペラ皮弁による修復。左:手術前のデザイン。中:皮弁を90度プロペラ回転する。右:手術後の状態。

プロペラ皮弁の代表的再建(弟子の日本医大形成外科梅沢裕己准教授の執刀例)

左:手術前のデザイン。中:プロペラ皮弁。左:皮弁を180度回転して露出したプレーtを覆った。



2009年東京で国際プロペラ皮弁穿通枝皮弁学会を東京大学光嶋教授と私の共宰で開催した際の集合写真。世界の名だたる形成外科医が集まった。


この学会でのプロペラ皮弁における国際的コンセンサスを、出席したイタリアのPignattiが論文に纏めて、米国の雑誌に発表したその論文。


Pignatti M, Ogawa R, Hallock GG, Mateev M, Georgescu AV, Balakrishnan G, Ono S, Cubison TC, D'Arpa S, Koshima I, Hyakusoku H. The "Tokyo" consensus on propeller flaps. Plast Reconstr Surg. 127(2) 716-722 2011



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